黒澤和樹(江口洋介)が持ちかけたのは年俸200万円アップのヘッドハンティング。
西郷守男(板尾創路)はそれを断った。
「ひとつの会社を勤めあげるのが日本人の美徳だ」と。
黒澤は苦笑いをするだけだった。
北東鉄鋼に帰社した西郷。
エントランスにある「定礎 1903」と彫られた記念碑を感慨深げに撫でる。
それを遠くから見つめる赤城響子(小池栄子)の姿。
翌朝、西郷が自宅の1階に降りていくと妻の早苗(山下容莉枝)が倒れていた。
介護疲れがたたってギックリ腰になったのだ。
その時、200万円アップのことが脳裏によぎる西郷。
その日、黒澤、灰谷(杉本哲太)と面会する西郷だったが、
妻の唯一の楽しみはファミレスのハッピーアワーで半額になったグラスワインを飲むことだけ。
更に父の介護や3人の子供の学費のことまで黒澤達に調べられていると知ると、
腹を立て年俸1,000万円の転職話を断るのだった。
「私は諦めない」と黒澤。
西郷は外に出ると今度は赤城と会う。
待ち合わせをしていたのだ。
赤城との話はうまく運んだようだ。
赤城がタクシーで送ろうとするが、謙虚に電車で帰りますと。
しかし、顔色は明るい。
再び黒澤と会う西郷。携帯に「すぐに会いたい。こないとあなたの会社。いや人生がダメになる」とメールが入ったからだ。
眞城昭(平山浩行)が入手した北東鉄鋼の粉飾決算疑惑を伝える黒澤。
それでも「会社を誇りに思っている」と西郷。
粉飾に関わっていたらトカゲの尻尾切りにされるかも知れないのだが。
ニュースが流れる。北東鉄鋼に粉飾決算疑惑で捜査の手が入ると。
北東鉄鋼の株価は暴落した。
インタビュアーの質問に「私は知りません。一部の社員の暴走です」と白々しく答える社長の王子山(団時朗)